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【No.17】 ニッケルの作業環境測定

Q:ステンレスの研磨や溶接・溶断などの加工を行っている屋内作業場で、研磨粉や金属ヒュームが発生する場合は、作業環境測定は必要なのですか?

A:加工時には測定義務はありませんが、清掃時には測定義務が生じる場合があります。

特定化学物質の管理第2類物質に指定されているのは「ニッケル化合物(ニッケルカルボニル※1を除き、粉状※2の物に限る)」です。
金属ニッケルやニッケル合金(ステンレスやインコネルなど)はニッケル化合物に該当しませんので、ステンレスの加工作業には作業環境測定の義務はありません。
 ※1 ニッケルカルボニルは特定化学物質の特定第2類物質として別途指定されています。
 ※2 粉状とは粒径0.1mm以下のものをいいます。

しかし溶接時に生じた金属ヒュームは金属酸化物であり、酸化ニッケルはニッケル化合物に該当します。そのため金属ヒュームの清掃作業などは「ニッケル化合物を製造し、又は取り扱う作業」となり作業環境測定義務が生じる場合があります。

なお測定義務のない金属ニッケルも「ラベル表示及びSDS交付義務対象物質」に指定されているため、ラベル表示やリスクアセスメントなどを行う義務があります。

ちなみにコバルトは「コバルト及びその無機化合物」として指定されています。そのためニッケルとコバルトの合金であるコバールの加工業務においては、ニッケルは測定義務が無く、コバルトのみ測定義務が生じます。
コバルトについてはこちらもご覧ください。

その他、インジウムは「インジウム化合物」として指定されているためニッケルと同様の取り扱いとなっています。金属インジウムにラベル表示などの義務があるのも同様です。



関連情報
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