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スギ花粉

日本人の国民病とも呼ばれる様になった「スギ花粉症」。その原因となる疎ましいスギ花粉のSEM画像がこちら。

花粉は直径20~30µmの球体に突起が1つ見られ、果物の様な形をしています。その表面にさらに小さい粒々がたくさんあるのが分かります。

 

スギ花粉x40000.jpg

その粒々を拡大してみると、直径約0.5µmで金平糖の様な形をしていることが分かります。

この粒々はユービッシュ小体やオービクルなどと呼ばれています。

近年の研究により、ユービッシュ小体にも花粉症の原因物質である抗原(アレルゲン)が含まれていることが分かってきました。スギ花粉本体から剥離してしまったユービッシュ小体を吸引すると、小さいためにPM2.5の様に肺の奥まで侵入し、喘息の様な症状を引き起こすこともあるようです。

 

スギ花粉破裂.png

これは破裂したスギ花粉です。

スギ花粉の内部にはユービッシュ小体とは違うタイプの抗原が存在しています。スギ花粉は水分により破裂する性質があり、人の鼻や喉などに付着すると破裂し、体内へ抗原を放出してしまいます。

破裂する性質は本来スギ自身の受精のために獲得したものですが、一方でこの性質が人々に花粉症を引き起こす原因の一つになってしまっているようです。

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